ゴルフで一番大切なのは「素振り」
突然ですが、皆さんはゴルフをしたことがありますか?
ゴルフと聞くと、広いコースで気持ちよくボールを飛ばす姿を思い浮かべる方が多いと思います。でも実は、あの気持ちよく飛ばす一打のために、地味で単調な「素振り練習」を何百回、何千回と繰り返しているんです。
素振り練習は、正直に言うと楽しくありません。ボールも飛ばないし、地味で単調です。でも、この時間があるからこそ、フォームが整い、思い通りにクラブを振れるようになり、コースで結果が出せるのです。
もし素振りをせず、いきなりコースに出てしまったらどうなるでしょう?
力任せに振ってフォームが崩れたり、ボールが思った方向に飛ばなかったり…。せっかくのラウンドが思うようにいかず、上達も遠回りになってしまいます。
結局のところ、「急がば回れ」。遠回りに見えても、素振りの時間がいちばんの近道なのです。
ピアノの上達も、まったく同じです
実は、ピアノの練習もゴルフとまったく同じことが言えます。
多くの子どもたちは、早く曲を弾きたいと思いますし、曲を弾く時間が一番楽しいものです。ですが、「指の形」「手の使い方」「音の出し方」などの基礎が身についていない状態でいくら曲を弾いても、音がにごってしまったり、テンポが崩れたり、「なんだかうまく聴こえないな…」という演奏になってしまいます。
ピアノでいう“素振り”とは、たとえばこんな練習です:
指づくりのためのスケール練習やハノン
拍の感覚を養うためのリズム練習
音符を見てすぐに弾く譜読み練習
どれも地味で単調ですが、これを積み重ねることで、演奏の土台がしっかりと築かれます。土台ができると、曲を弾いたときに音がスッとまとまり、表現の幅もぐんと広がります。
「急がば回れ」の精神で、基礎を大切に
基礎練習は、すぐに成果が見えにくいので「つまらない」「必要あるの?」と思われがちです。でも、基礎がしっかりしている子ほど、あとでグンと伸びます。逆に、基礎を飛ばしてしまうと、後になってからつまずきやすくなり、上達が止まってしまうことも…。
「早く上手になりたい」「曲を上手に弾きたい」と思うならこそ、基礎を大切にしてほしいのです。
それは、まさにゴルフで素振りを繰り返すことと同じ。
一見遠回りに見えても、それがいちばんの近道です。
最後に
ピアノの基礎練習は、未来の「思い通りに音を奏でられる自分」をつくるための大切な時間です。
今、地味だなと感じる練習も、必ず未来の自分を助けてくれます。
お子さんが「曲ばかり弾きたがるな」と感じたら、ぜひ「ゴルフの素振りと同じなんだよ」と伝えてあげてください。
一歩ずつ、基礎を積み重ねていけば、必ずその努力は演奏の中で輝きます✨