時々、読み返している記事があります。

イノベーションが止まらない「両利きの経営」

早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんの記事です。

ここでおっしゃっている本質的なことは、有名な進学校である開成中学が「ピアノを必修にしていること」と関係がある気がしています。開成高校からは東大に200名近くも進学するわけですから、「ピアノをやる時間は勉強の邪魔になって無駄な時間なのでは?」と考える方もいらっしゃいそうですがピアノをやる。なぜ?と思いますよね。

この問いの答えが、外に学ぶ「知の旅」にあると思うのですよね。

イノベーションの源泉の1つは「知と知の組み合せ」です。たとえば、自社の既存のビジネスモデルという「知」に、他社が別事業で使っていた手法などの「別の知」を組み合わせることで、新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出していくことです。そのためには色々な知の組み合せを試せた方がいいですから、企業は常に「知の範囲」を広げることが望まれます。これを世界の経営学では「Exploration(知の探索)」と呼んでいます。

知の範囲を広げる「知の探索」が横糸だとすると、

そのような活動を通じて生み出された知からは、当然ながら収益を生み出すことが求められます。そのために企業が一定分野の知を継続して深めることを「Exploitation(知の深化)」と呼びます。

「知の深化」は縦糸。

お金儲けのことに限らず、自分の人生や仕事を素敵な布を織りあげる行為だとすると、どちらかの糸だけでは完成できませんよね。

ここで前回のブログ記事『優先順位』の話に戻りますが、「②緊急ではないが重要なこと」は、「別の知」に出会い「知の範囲」を広げることになるから重要ということです。

新学習要領も、時代の変化に合わせて変わっていっています。小中学校で「総合的な学習の時間」、高校では「総合的な探求の時間」があります。

学習と探求の違いは何でしょうね。

「課題を設定し,解決していくことで自己の生き方を考えていく」のが学習、
「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していく」のが探求のようです。

「知の探索」と「知の深化」の両利きのできる人生、ちょっとワクワクしませんか?