先日、「具体と抽象」細谷功という本を読みました。
この本で、私が目から鱗というか最大の発見だった項目は、『第18章マジックミラー「下」から「上」は見えない』でした。※ここでいう「下」は具体、「上」は抽象を指します。
生徒さんには、日頃から「基礎が大事」と伝えてきました。「基礎ができたら、応用もできるよ」と。
しかし、基礎練習をストップする方が結構います。私の長年の疑問でした。
今回謎が解けました!
図にしてみました。
つまり、具体で考える人は多く、抽象度が高い思考ができる人は具体も考えられるけれど、具体しか考えられない人は抽象度の高い思考ができない、ということ。
ピアノの話をしている時に、ピアノの話でしか考えないのが具体の思考。
ピアノで「基礎が大事」という話をしている時に、「基礎はピアノだったらスケールだけど、バスケだったらドリブルをしながら走ることかなぁ。これができない人が試合できるわけないよね」などと想像できるかどうか。
Henri Matisse
(1869, France – 1954, France)
Nu de dos, premier état
1909 / 1956
こちらは、先日美術館で観たアンリ・マティスの彫刻「背中Ⅰ~Ⅳ」ですが、左から制作が古く、右へ行くほどに新しい作品。これも、具体と抽象ですね。具体の方が万人にわかりやすい。でも、抽象はわかる人にしかわからない。
具体と抽象を自分の意志で、自由に行ったり来たりできたら、ピアノで得た「学び方(学ぶ型)」が他の分野でも応用できると思います。